飲食店経営

飲食店のメニューエンジニアリング入門|データで売上と利益を最大化する方法

著者: オーダーテイク編集部

「メニューが多いのに利益が出ない」「何を売れば儲かるのかわからない」——こうした悩みを解決するのがメニューエンジニアリングです。

メニューエンジニアリングとは、各メニューの**人気度(注文数)と利益率(粗利額)**を分析し、メニュー構成を最適化する手法です。勘や好みではなく、データに基づいてメニューの追加・削除・価格変更を判断できます。

メニューエンジニアリングの基本:4象限分析

各メニューを「人気度」と「利益率」の2軸で4つに分類します。

利益率:高い利益率:低い
人気度:高いスター(稼ぎ頭)プラウホース(集客力あるが儲からない)
人気度:低いパズル(儲かるが売れない)ドッグ(儲からず売れない)

スター(高人気 × 高利益)

最も重要なメニュー。メニュー表やオンライン注文画面で最も目立つ位置に配置し、積極的に売りましょう。

施策: 現状維持。品質を落とさず、露出を最大化する。

プラウホース(高人気 × 低利益)

注文数は多いが利益が薄いメニュー。集客の役割があるためすぐに廃止はしない。

施策:

  • 食材の見直しで原価を下げる
  • 付け合わせを利益率の高いものに変更
  • 価格を50〜100円上げる(人気があるため価格感度が低い)
  • セットメニューに組み込んで全体の利益率を改善

パズル(低人気 × 高利益)

利益率は高いが注文されないメニュー。認知不足か、メニュー名・写真に魅力がないことが原因。

施策:

  • メニュー名を魅力的に変更(例:「鶏の唐揚げ」→「名物!特製ダレの鶏唐揚げ」)
  • 写真を撮り直す
  • おすすめ表示やPOPで訴求
  • スタッフの口頭おすすめに加える

ドッグ(低人気 × 低利益)

儲からず売れないメニュー。メニューから外す候補。

施策: 廃止を検討。ただし、コース料理の一部や、特定の常連客に人気がある場合は残す判断もあり。

分析の具体的な手順

ステップ1:データを収集する

1ヶ月分の注文データを集めます。

メニュー注文数販売価格原価粗利額売上
チキンカレー320件900円280円620円288,000円
ビーフカレー180件1,200円500円700円216,000円
キーマカレー250件850円250円600円212,500円
シーフードカレー60件1,100円520円580円66,000円
野菜カレー90件800円350円450円72,000円

ステップ2:平均を算出する

  • 平均注文数: 全メニューの注文数の平均(上記の例:180件)
  • 平均粗利額: 全メニューの粗利額の平均(上記の例:590円)

ステップ3:4象限に分類する

メニュー注文数(平均180件)粗利額(平均590円)分類
チキンカレー320件(高い)620円(高い)スター
ビーフカレー180件(平均)700円(高い)パズル
キーマカレー250件(高い)600円(高い)スター
シーフードカレー60件(低い)580円(低い)ドッグ
野菜カレー90件(低い)450円(低い)ドッグ

ステップ4:施策を実行する

この分析結果から:

  • チキンカレー・キーマカレー(スター): メニュー表のトップに配置。品質維持
  • ビーフカレー(パズル): 注文数を増やす施策。「店長おすすめ」表示、写真のリニューアル
  • シーフードカレー・野菜カレー(ドッグ): メニューからの廃止を検討。または原価見直し

テイクアウトメニューの分析

テイクアウトと店内では人気メニューが異なることが多いです。

特徴店内テイクアウト
人気メニュー単品メニューセットメニュー・弁当
客単価の傾向ドリンク追加で上がるセット・トッピングで上がる
時間帯ランチ・ディナーランチに集中

テイクアウト注文システムに蓄積された注文データを活用し、テイクアウト専用のメニュー分析を行いましょう。

データ活用のサイクル

メニューエンジニアリングは一度やって終わりではなく、PDCAサイクルで継続的に改善します。

  1. Plan: 注文データを分析し、4象限に分類
  2. Do: 施策を実行(配置変更、価格変更、メニュー追加・廃止)
  3. Check: 1ヶ月後に再分析し、施策の効果を確認
  4. Act: 効果があった施策を継続、なかった施策を修正

月1回のメニュー分析を習慣化すれば、利益は着実に改善していきます。

メニューエンジニアリングの実践的なTips

メニュー表・注文画面での配置戦略

人の視線は左上から右下に流れます(Zの法則)。この法則を活用して、スターメニューを最も目立つ位置に配置しましょう。

  • 左上・右上: スターメニュー(高人気×高利益)を配置
  • 中央: パズルメニュー(低人気×高利益)を「おすすめ」マーク付きで配置
  • 右下: セットメニュー(客単価アップ)
  • 最下部: ドリンク・サイドメニュー

QRオーダーやテイクアウトのオンライン注文画面でも同じ原則が適用できます。カテゴリの表示順や「おすすめ」タグの設定で、売りたいメニューの露出を最大化しましょう。

価格設定の心理テクニック

  • 端数価格: 1,000円より980円のほうが心理的に安く感じる
  • アンカリング: 高価格メニューを先に見せると、中価格メニューがお得に感じる
  • 松竹梅の法則: 3段階の価格帯を設定すると、真ん中が最も売れる

メニュー写真の効果

写真付きメニューは、写真なしと比較して注文率が30%以上高いという調査結果があります。特にパズル(低人気×高利益)メニューには必ず写真を付け、視覚的に訴求しましょう。

まとめ

メニューエンジニアリングのポイントです。

  1. 注文数と粗利額の2軸で全メニューを分類 — スター/プラウホース/パズル/ドッグ
  2. スターを最大限に露出し、ドッグは廃止を検討
  3. プラウホースは原価改善、パズルは認知向上
  4. 月1回の分析で継続的に改善
  5. テイクアウトは店内と別に分析する

注文データの蓄積にはテイクアウト注文システムやPOSレジが必要です。オーダーテイクなら注文履歴がデータとして蓄積されるため、メニュー分析の基盤として活用できます。

コスト管理については飲食店のコスト管理ガイド、メニューの価格設定はテイクアウトメニューの作り方ガイドをご覧ください。

よくある質問

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