飲食店経営

飲食店の水道光熱費を削減する10の方法|年間数十万円のコスト改善

著者: オーダーテイク編集部

飲食店の経費の中で、食材費・人件費に次いで大きいのが水道光熱費です。

売上の5〜8%を占める水道光熱費は、月商200万円の店舗で月10〜16万円。年間では120〜192万円にのぼります。ここを10%削減するだけで、年間12〜19万円の利益改善につながります。

この記事では、飲食店の水道光熱費を削減する10の実践的な方法を解説します。

飲食店の光熱費の内訳

まず、光熱費がどこに使われているか把握しましょう。

電気代の内訳(月商200万円の店舗、月8〜12万円目安)

項目割合月額目安
空調(エアコン)30〜40%3〜5万円
冷蔵・冷凍庫20〜25%2〜3万円
照明15〜20%1.5〜2万円
調理機器(電気式)10〜15%1〜1.5万円
その他(換気扇、食洗機等)10〜15%1〜1.5万円

ガス代(月2〜5万円目安)

調理(コンロ、フライヤー、オーブン)と給湯が主な用途。

水道代(月1〜3万円目安)

食器洗い、調理、トイレ、清掃が主な用途。

電気代を削減する方法

方法1:電力会社の契約プランを見直す(即効性:高)

電力自由化により、飲食店向けの安いプランを提供する新電力会社が増えています。現在の契約内容を確認し、複数社から見積もりを取りましょう。

チェックポイント:

  • 基本料金と従量料金の単価
  • 業務用プランがあるか
  • ピークシフトプラン(夜間電力が安い)の適用可否

切り替えだけで月数千〜数万円の削減が見込める場合があります。

方法2:LED照明に切り替える(投資回収:1〜2年)

蛍光灯や白熱灯をLEDに切り替えるだけで、照明の電気代を50〜70%削減できます。

蛍光灯LED
消費電力(40W型)40W18W
寿命6,000〜12,000時間40,000時間
年間電気代(12時間/日)約6,300円/本約2,800円/本

10本の蛍光灯をLEDに切り替えれば、年間約35,000円の電気代削減。LED本体の費用(10本で2〜3万円)は1年で回収できます。

方法3:空調の効率を改善する

空調は電気代の最大項目。以下の対策で効率を改善できます。

  • フィルター清掃を月1回実施 — 詰まったフィルターは消費電力を10〜20%増加させる
  • 設定温度の見直し — 冷房28度、暖房20度が省エネの目安
  • 入口の開放を減らす — 自動ドアやエアカーテンの導入
  • 営業時間外のタイマー設定 — 閉店30分前に空調を切っても店内温度は維持される

方法4:冷蔵・冷凍庫の効率化

  • 扉の開閉回数を減らす — 仕込み時にまとめて食材を取り出す
  • 適切な温度設定 — 冷蔵5度、冷凍-18度が標準。必要以上に低くしない
  • 庫内を整理する — 詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり消費電力が増加
  • パッキンの劣化をチェック — 隙間から冷気が漏れると消費電力が20〜30%増加

ガス代を削減する方法

方法5:ガス会社のプランを見直す

電力と同様、ガスも契約プランの見直しで削減できる場合があります。プロパンガスの場合、ガス会社の切り替えで単価が下がるケースもあります。

方法6:調理の効率化

  • 蓋を使う — 鍋に蓋をするだけで加熱時間が短縮(ガス代約20%削減)
  • 火力の適正化 — 鍋底からはみ出す炎は熱効率ゼロ
  • まとめて調理 — 少量ずつ何度も加熱するよりまとめて調理するほうが効率的
  • 余熱を活用 — 火を消した後の余熱で仕上げる

水道代を削減する方法

方法7:節水装置の設置(投資回収:半年〜1年)

蛇口に節水コマや節水ノズルを取り付けるだけで、水量を30〜50%削減できます。

  • 節水コマ:1個数百円。蛇口に取り付けるだけ
  • 節水ノズル(泡沫タイプ):1個1,000〜3,000円。少量の水で十分な洗浄力
  • 食洗機の導入:手洗いの約1/7の水量で洗浄可能

方法8:食器洗いの効率化

  • つけ置き洗い — 汚れを緩めてから洗うことで水量と時間を削減
  • 食洗機の活用 — 手洗いより水量が圧倒的に少ない
  • すすぎの効率化 — 流しっぱなしにせず、溜めすすぎを活用

その他の削減方法

方法9:営業時間外の待機電力を削減

閉店後も通電している機器の待機電力は、月間で数千円になることがあります。

  • 使わない時間帯の製氷機の電源OFF
  • ディスプレイ冷蔵庫の夜間OFF(ショーケースタイプ)
  • 看板照明のタイマー設定

方法10:テイクアウトによるピーク分散

店内客の集中を緩和することで、空調・照明の負荷を抑える間接的な効果があります。テイクアウトの事前注文で来店時間が分散されれば、ピーク時の満席状態(=空調フル稼働)の時間を短縮できます。

業態別の光熱費特徴と対策

ラーメン店・中華料理店(ガス代が高い)

大火力のコンロやフライヤーを常用するため、ガス代が売上の4〜6%に達する場合があります。

  • スープの仕込み時間を最適化し、不必要な加熱を減らす
  • フライヤーの温度管理を徹底(揚げ物がない時間帯は温度を下げる)
  • プロパンガスの場合、ガス会社の切り替えで単価を下げられるケースが多い

カフェ(電気代中心)

エスプレッソマシン、冷蔵ショーケース、空調が電気代の主要項目です。

  • エスプレッソマシンの待機モードを活用(アイドル時間の消費電力を30%削減)
  • 冷蔵ショーケースのLED照明への切り替え
  • 夏場はブラインドやカーテンで日差しを遮り、空調負荷を軽減

居酒屋(営業時間が長い)

夕方から深夜まで営業するため、照明と空調の稼働時間が長くなります。

  • 客席以外の照明は人感センサーに切り替え(トイレ、通路、倉庫)
  • 閉店1時間前から段階的に照明を落とす(雰囲気も良くなる)
  • 深夜帯は空調の設定温度を1〜2度緩和(来客が少ない時間帯)

光熱費削減のロードマップ

優先順位を付けて段階的に取り組みましょう。

即日実行(投資0円)

  1. エアコンフィルターの清掃
  2. 冷蔵庫の設定温度を確認・適正化
  3. 不要な照明の消灯ルールを決める
  4. 調理時に蓋を使う習慣を徹底
  5. 営業時間外の待機電力をチェック

1ヶ月以内(投資〜5万円)

  1. LED照明への切り替え
  2. 節水装置の設置
  3. 電力会社・ガス会社の見積もり取得

3ヶ月以内(投資〜10万円)

  1. 電力・ガス契約の切り替え
  2. 冷蔵庫のパッキン交換

年間削減効果の目安

月商200万円の店舗で上記をすべて実施した場合の年間削減額の目安です。

施策年間削減額
電力・ガス契約見直し36,000〜120,000円
LED照明切り替え30,000〜50,000円
空調効率化24,000〜48,000円
節水装置12,000〜24,000円
その他(待機電力等)6,000〜12,000円
合計108,000〜254,000円

年間10〜25万円の削減は、メニュー1品の開発費や設備の補修費に十分充てられる金額です。

まとめ

飲食店の水道光熱費削減のポイントです。

  1. 電力・ガスの契約プラン見直し — 切り替えだけで月数千〜数万円の効果
  2. LED照明への切り替え — 1〜2年で投資回収
  3. 空調フィルターの月1清掃 — 消費電力10〜20%の改善
  4. 節水装置の設置 — 半年で投資回収
  5. まずは「見直し」から — 投資不要の施策を優先

コスト管理全般については飲食店のコスト管理ガイド、小規模店舗の経営術は小さな飲食店の経営術をご覧ください。

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